アスリートの爪 割れて短くなってもジェルなどで長さを足さないこと

野球選手の割れて短くなった爪

皆様こんにちは 末廣です。

アスリートの割れた爪のケアについてお話します。

私は、プロアスリートも含め様々な種目のスポーツ選手の爪をケアしてきました。
チームや個人のアスリートを担当しています。

その中で、危険だと気づいたことです。 それは、どんな種類のものであれジェルネイルなど人工物をアスリートの爪に施すことは危険であるということです。

手であれば、野球選手、バスケットボール選手、バレーボール選手、投擲選手、ゴルファー、ソフトボール選手など指先を酷使するスポーツの選手。
足はどの競技の選手もNGです。ただし、巻き爪ケアに使う機能性ジェルは、足を踏まれたり、つま先立ちになったり、ボールなどを蹴ったりする競技以外は場合により施すこともあります。 しかし、基本的には行いません。

なぜ、私がアスリートにジェルなどの人工物をほとんど使用しないか。それは爪の機能を知っているからです。

「強い爪」ってどんな爪でしょうか? 皆様のイメージでは、「硬くて割れない爪」ではないですか?
私にとって「硬くて割れない爪」は「大怪我につながる危険な爪」です。

「硬くて割れない爪」が良いと思っている方は、爪が割れることを「悪いこと」だと思っていませんか?

そもそも、爪は大怪我になる前に「割れる」仕組みです。 
爪は大きな圧力などを受けた時に白とピンクの部分の境で割れれてくれることで、べりっと剥がれることを回避してくれるのです。
人間に備わったリスク回避機能なのです。

爪が受ける圧力のことを爪圧(そうあつ)と言いますが、爪が硬かったり、乾燥しているとこの圧力をうまく逃すことができません。
だから割れます。
硬くて分厚い爪は圧力をもろに受け止めて、逃すことができずにべりっと剥がれるリスクが高まるのです。

割れるからとコーティングしたり、割れて長さが足りないからと人工的に長さを出すとどうなるか?
自爪と密着しているものなので、本来割れる場所から割れなくなります。よって、保護しているつもりがより大きな爪の怪我につながります。
密着強度の問題ではありません。剥がれやすいジェルなどでも、圧力が加わる場所が変わることでベリっとなってしまうのです。

さらに、心理的にも作用してしまいます。
コーティングで爪の受ける圧力の感覚が変わります。厚みが変われば尚更です。
運よくべりっと剥がれる怪我にならなかっとしても、「感覚」に影響しています。
指先の感覚を脳に正しく伝える働きに誤作動が起きます。
コーティングしている時はうまくいったのに、コーティングをやめ自爪に戻したらうまくいかなくなってしまったということも無きにしも非ずです。
そこからイップスにつながるリスクにも発展してしまうことも考慮に入れておかなければなりません。
それくらい指先というのは繊細な部分であるということです。

人間の機能として備わっている以上、爪は割れるのです。しかし、「良い爪」を作ることで爪圧をうまく逃すことができ、割れる頻度を下げることは可能です。割れない爪は作れませんが。

良い爪を作る。それは、何かを塗れば良いというのではないのです。
爪は食べたものでできています。爪になるタンパク質、ミネラル、ビタミンの摂取はもちろんです。
しかし、食べることにだけではないのです。排泄することも大事。爪以外の身体に疲れや怪我がないこと、心配事がない状態であることも大切。
しっかりと心身を休めることも大切です。休めないと栄養素の代謝が不可能だからです。

爪に回ってくる栄養はあまりものだと思ってください。
心臓や脳、その他の臓器、大きな筋肉や血管、広い面積の皮膚に何かが起きれば命に関わります。
しかし、爪は割れたからといって即命に関わるかといえば、先進国の日本においてはそうではありません。
命に関わる機能から栄養も水分も分配されます。だから爪以外のところの修復に栄養が使われている状態であれば、爪は良い状態の合成ができないのです。

外からできることは、「乾燥させない」ことです。
少なからず爪の表面は水分を含むことができます。だからコーティングしてしまっては爪に外から水分を補うことができなくなります。
コーティングするのではなく、化粧水やセラムなどで保湿しておくことです。
そして、口からも水分摂取することです。一度にたくさん飲むのでは意味がありません。こまめに100CCくらいずつ飲むことです。
感染症リスクを下げることにもつながります。理想は20分にふた口三口飲むのが良いのですが、そんなに頻繁には難しいと思います。
1時間に100CC、150CCを飲まれたら良いのでないかと。
一般の方で起きている時間に体重×30CCを基準に飲むとお伝えしていますが、アスリートは汗をかいたりする分もっと多くなります。
一度にがぶ飲みは脱水を促す場合もありますので、こまめに摂取を目指してください。
腎臓などに問題のある方は医師と相談なさってください。

そして大切なのは、整え方。
良いツールを使っていてもバチンバチンと切っていては爪の組織が破壊されます。
やすりも同じです。使い方を誤れば、良いものを使っていても爪を割れやすい状態にしてしまいます。
ガラス細工を扱っているように爪を扱ってください。

アスリートに対しての正しい爪のケア方法や自分でできる応急処置、栄養学、爪トラブル理論、体勢と爪の関係などの講習を実施しています。
2005年から検証を重ね、2019年からは元メジャーリーガーのマック鈴木さんや多くのアスリートと検証してきた理論です。
ケア製品については国立大の医学部や化粧剤企業と研究したことを製品化に取り組んでいます。

もちろん、施術やオンラインでのご相談も承っております。下記からお問い合わせください。

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末廣亜紀
アスリート・一般の方、合わせて爪の問題解決1000例突破。
2005年からおしゃれのネイルではなく健康とスポーツパフォーマンスを爪からアプローチし、そこから導き出した爪切り理論と爪教育プログラムを、ツールメーカーのマルト長谷川工作所と「マルトメソドロジー」と称して構築。
この理論を元メジャーリーガーのマック鈴木氏が賛同し受講。マックブランドを立ち上げマルトメソドロジーのスポーツや子供の育成分野を引き継ぎ、一緒に啓蒙活動を開始。
爪の組織を傷めず安全性を追求した爪切りツールもプロデュース。プロアスリートにも愛用者多数。
この理論のケアとトレーニングでNPBドラフト指名者排出!
高校野球甲子園常連校も導入!
足爪アプローチの美脚の作り方や膝痛予防指導も行っています。
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